TMS(CMS/GCMS)について 1

  • 財務管理高度化支援
TMS(CMS/GCMS)について 1

TMSと呼ばれるTreasury Management systemの成り立ちや海外から日本に進出したタイミングなどをお伝えします。TMSの機能や品質が自動的にアップデートされるSaaS環境での利用が一般的になってきました。

目次

本稿の執筆者は本文中で言及される活動・サービスに関与している立場であり、
その関係性を開示いたします。本稿は執筆者の実体験および個人的見解に基づく内容であり、サービスのPRを趣旨としたコラムとなります。

TMS(Treasury Management System)の始まり

 TCJ (Treasurers Club of Japan、以下「TCJ」)では日本の財務プロフェッショナルが絶滅危惧種のように希少であり存続が難しくなっていることへの警鐘を鳴らしています。TCJアドバイザリーの大田研一氏がゼロからスクラッチで財務システムの構築を開始した80年代から時を経て、ようやく90年前後に欧米でTMS(Treasury Management System、以下「TMS」)というサービスがオンプレミスによってスタートし、90年代後半からSaaSによるサービスが開始されました。

 TMSのサービス化の隆盛は、様々なジャンルの企業が海外貿易を活発化させ財務管理のボリュームが自国以外に増えたことによるものと、EU発足による通貨統合で1999年1月からユーロ (EUR)が事実上のEU統一通貨として為替レートの表示および取引がスタートしたことが影響しています。また、ITのインフラ面 (ソフトウェア/ハードウェア/ネットワーク)の発展から、オンプレミスのように自社で設備を持たずインフラをサービスとして利用するクラウドが始まりました。クラウドによって運用保守の社内業務が減り、技術革新への即応性も高めることができるため、海外ではオンプレミスからクラウドへの移行が進みました。当初、国内では社内の機密情報をクラウドという社外に持ち出すことへの抵抗が根強かったものの、実際問題として情報漏洩は内部犯罪が約9割(IPA「企業における営業秘密管理に関する実態調査(2020年)における内部関係者に起因するケースを合算)であることや、セキュリティ技術も急速に進歩していることから、クラウド移行へのムーブメントは海外同様に加速し、同じくOSやミドルウェア、アプリケーションもクラウドで提供するSaaSに移行するのが一般的となっていきました。

日本におけるTMSサービスの隆盛

 海外では90年前後以降TMSの専門ベンダーによるグローバル財務管理の仕組みが構築されるなか、国内ではアメリカのSunGard (現FIS)によって1996年に日本法人のサンガード・ジャパンが設立されました。当時は財務業務のシステム化に積極的な企業 (特に海外貿易の多い製造メーカー)が、SunGardを軸として個社の業務に合った機能要件を実装するカスタムメイドなTMSを自社設備で作り上げていました。実際に導入をするには人財と時間とコストと何よりも社内における求心力が必要になることから、ごく限られた企業だけが実現できる状況であり、ほとんどの企業は先行する財務業務のシステム化を羨望の眼差しで見つめるだけでした。その後幾年月が経過し、TMS業界のリーディングカンパニーであるアメリカKyribaが2012年にキリバ・ジャパンを、同時期にリスク管理に定評のあるアメリカReval (現ION)がReval Japanを、2015年にトレジャラーとして著名なMartin Bellinが設計したドイツBELLIN tm5 (現Coupa)が日本のAVANTグループにより各社サービスが国内で開始されました。いずれも導入のハードルを低くしたSaaS中心のサービスであることや、各社が積極的にセミナーやイベントを行うことで国内のTMS導入企業が増え、TMS自体の認知度が高まりました。ちなみに、Kyribaはフランス、Revalはオーストリア、BELLINはドイツという発祥国であり、EUのグローバル財務業務が他のエリアよりも高度化している理由とも結びつきます。

執筆者のご紹介

元BELLIN/FIERTE マネージャー
元キリバジャパン KJUG常任理事
吉田 英樹

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