【30周年記念・代表インタビュー】
30年間の挑戦と研鑽の轍を、これからも刻むために。

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【30周年記念・代表インタビュー】 <br>30年間の挑戦と研鑽の轍を、これからも刻むために。

コツコツと積み上げてきた日々と、感謝

 東京共同会計事務所は、2023年8月に創業30周年を迎えました。
30年の年月は長くもあり、短くもあったと感じています。日々コツコツと仕事を積み上げてきた結果、「気がつけば30年経っていた」というのが正直な感想です。

 現在、東京共同会計事務所は300名を超える従業員が在籍し、数千を超えるクライアントの経営、財務戦略を支援させていただいております。

 30年前、たった2人で創業した小さな事務所ですが、当時は現在の規模、環境など想像すらできませんでした。今がありますのもひとえにクライアントのみなさまからの叱咤激励、そして従業員の努力と成長の賜物です。加えて、従業員のご家族の下支えがなければ成し得ることはできませんでした。厚く御礼を申し上げます。

 この節目に感謝の気持ちをお伝えするとともに、東京共同会計事務所のこれまでの
30年を振り返りながら、これからを見据えた所信表明をさせていただければ幸いです。

分かれ道があったなら、
「めずらしい道」を選ぶ

 私は昔から、目の前に選択肢が提示された際に、簡単には経験できない方の道を選択し歩む方が、人生はきっと楽しく豊かでおもしろいものになると考えています。
 振り返ると自身の人生のターニングポイントにおいて、常にこの判断軸に沿って道を選んできたと思います。

 私は新卒で監査法人中央会計事務所に入所し、主に監査業務に従事した後、中央クーパース・アンド・ライブランド国際税務事務所(現PwC税理士法人)へ転籍し、税務アドバイスを中心に経験を積みました。

 例えば金融商品ひとつをとっても当時はまだ会計基準が固まっておらず、税制に関しても論点が多く存在していましたが、確立していないからこそ合理的な論理の構築に基づいて自己の見解を形成し、それをふまえてストラクチャーを組みアドバイスを行えることに金融・会計のプロとしてのやりがいを感じており、自身が成長している実感とともに充実した日々を送っておりました。またありがたいことに前職では“自分のクライアント”と思えるクライアントも着実に増えていき、それなりに順調なキャリアを積んでいた頃、当時の上長であった渡辺に「一緒に独立しないか」と声をかけられ、冒頭に申しました自身の判断軸に沿って考えた結果、独立の誘いを受け、私が28歳の時に東京共同会計事務所の共同パートナーになりました。
これが東京共同会計事務所のスタートになります。

 創業にあたりこれからの世の中を見据え、どう戦っていくのかを2人で熟考する中、その頃はバブル崩壊直後で、日本経済は混沌とした状況にあった一方で、日本版金融ビッグバンによって規制緩和が進み、これまでにないみなし有価証券という領域が広がりつつあった時期でもあったため、また、その領域は伝統的な金融業以外の企業でも扱えるようになりつつあったため、私たちは渡辺がやりたかった中堅企業やそのオーナーに対する法人税・所得税・相続税を総合した税務プランニングというテーマと共に証券化ビジネスに焦点を当てることにしました。

 私にとっては、これまでに培ってきた金融に関する知識を生かしながら、証券化という未開のビジネスに挑むこと、また大手事務所を出て自分の力で身を立てていくことは非常に「めずらしい道」でありましたので、当時は恐怖心よりも未知の領域を歩いていく緊張感と大きな期待で胸を躍らせていたのを今でも鮮明に覚えています。

 1993年の創業後数年たった頃から、世の中でも証券化ビジネスが急速に発展し、企業が保有する資産を証券化してSPC(特別目的会社)に移転する新たなストラクチャード・ファイナンスのスタイルも次第に確立されていきました。手前みそですが、我々は、その頃新進気鋭であり、サービスもスピーディーであったため、比較的順調にその分野の「売れっ子」になっていきました。

 しかしながら、当時の会計事務所の報酬は弁護士事務所に比べて格安な傾向があり、私はそこに不満を感じてもいました。同等あるいはそれ以上の仕事をこなしてもどうしても経済的に超えられない壁があると感じ、この壁を超えるためにはフロー型のビジネスであった会計事務所の仕事をストック型に転換させる必要があると考え、SPC管理業務にはその可能性があると強く感じていました。

 SPC管理業務は一件あたりの売上、利益としてはあまり高くないものの、取引期間が長くなるため、数を増やすことができれば安定した収益が期待できます。その一方でSPCにはご存じの通り代表者派遣がつきものです。当時はスキームに対する信頼性確保のため、代表者には会計士か弁護士を立てたいとするアレンジャーが主流でした。これが案外最たるものの例なのかもしれませんが、この領域ではクライアントからは、従来の会計士・税理士の枠を超えた多岐に渡る業務をSPC管理業務の一環としてまとめて提供することを求められることも多かったため、当時は大手の会計事務所を含め他社にはなかなか手を出せないビジネス領域だったのではないかと思います。

 我々は、黎明期からSPC管理業務に注力し「日本初」と呼ばれる案件を多く手掛け、この領域においてパイオニアと呼ばれる存在となり、現在までに延べ9000社にも及ぶ実績を積んできました。 これはリスクを恐れず「めずらしい」領域にこそ挑む、ベンチャー企業のような前のめりの気質を常に忘れず邁進してきたからこそ得られた結果であり、これこそが東京共同会計事務所の本来の強みであり、この30年間を駆動させてきた原動力のひとつである、と私はそう信じています。

プロとしてのこだわりと裏打ちされた知識の研鑽

 未踏の領域に挑んでいくベンチャー気質がある一方で、我々が大切にしてきたのが、クライアントのニーズに対して真面目に誠実に向き合い、責任感を持って提案することです。東京共同会計事務所ではそれらを「プロフェッショナリズム」や「職人気質」という言葉で表現しています。

 我々は会計・税務・財務・法務、それぞれに関して生真面目なほどに深く広く学究し、プロフェッショナルとしての自覚を持ち、クライアントにも社会にも貢献できる知見とスキルを持っていると自負しています。
 簡単なことではないのですが、未踏の領域に挑んでいくベンチャー企業のような前のめりの気質と、プロとしての知識の研鑽は、二輪としてバランスよく成立していなければならないと考えています。
 従来の士業の枠を超えて、まだ舗装されていないビジネス領域に踏み出し、開拓して成果を出すには浅はかな学識では太刀打ちできません。先進的な領域だからこそ、条文などの学術的知識に裏打ちされた知識を常に懐に持ち、仕事に向き合う必要があります。

 また、会計士や税理士の従来の業務領域を超え、ビジネスを開拓していく姿勢は「危うさ」や「不安定さ」をクライアントに抱かせることもあり、それゆえに誰よりも深く学んでいるという自信がクライアントに伝わることも大切なのです。

 我々は知識の研鑽を続けてきたからこそ、クライアントから会計・税務の意見を求められ、業界大手の他社と対峙する場面においても自分たちの考えに自信を持つことができ、またクライアントに対して常に合理的な課題解決方法を提案する気概が持てるのです。
 積極的に新たなビジネス領域を開拓していく姿勢と、職人のように誰よりも深く知識の研鑽を積み上げ続けること。この両輪を、ときとしてきしむことはありましたが、それでも30年間絶えることなく回し続けてきたことこそが東京共同会計事務所のもうひとつの強みであり、創業者の一人である渡辺から脈々と継承し、世代を越えてバトンタッチしていかなければならないDNAなのです。

 そしてこの両輪をより確かに、より力強く回転させていくことがこれからの東京共同会計事務所の成長のために重要な核になるとも感じています。

両輪をより力強く回し続け、
次の30年へ

 時代は大きな変わり目を迎えています。

 ビジネスでも日常生活でも、あらゆる場所にAIやRPAが入り込み、労働集約モデルの持続性は不透明そのものです。またIFRSなどの新たな会計基準が当たり前になったり、証券化ビジネスも複雑・多様化したりするなど、我々も仕事の中でこれまで以上に広い視野と知見を求められています。

 規模の大小を問わず、会計や税務の事務所はビジネスの駒の進め方の巧拙によってビジネスの今後が決まる大きな潮目のときです。大きな成長のチャンスでもありますが、ここで間違った方向に進んでしまえば次の30年を迎えることは難しいでしょう。

 もっとも、我々が進むときに頼るべき羅針盤は明確です。
 よりめずらしく、おもしろい道を選び、新たなビジネス領域を開拓していくこと。真面目に職人のように誰よりも深く知識の研鑽を積み上げ続け、誠実にクライアントと社会への提案を続けていくことです。

 東京共同会計事務所は刻一刻と変わるビジネス環境の中でも、一貫としてプロフェッショナルとしての存在であり続ける。そして挑戦と研鑽という両輪をより力強く回すことができれば自ずと、クライアントとともに日本や世界により大きなインパクトを残すことができる、私はこれらのことを確信しています。
 これからの東京共同会計事務所により一層のご期待をいただくとともに、変わらぬ叱咤激励をいただければ幸いです。

東京共同会計事務所
代表パートナー・内山隆太郎

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