税賠予防職員勉強会のご案内

差出人は弁護士。
内容は、元顧客からの損害賠償請求。修正申告による重加算税、顧問料返還及び慰謝料の合計で金額は1,500万円。

えっ?この前顧問は解約になったけど、まさかこんなことになるとは・・・。しかも、1,500万円も、本当に支払う必要はあるのだろうか?

それに、2週間以内に回答を、と言われても、資料はこの前全部返却したばかり。弁護士に相談しなくては。

先生!こんな内容証明が届いたのですが・・・

弁護士「あいにく私は税務には明るくないものですから・・・」

(※この話はフィクションです)

「税理士賠償責任(税賠)」は、ある日突然やってきます。地震や台風、交通事故のように。
例えば、地震大国である日本在住の人であれば、地震に対する備えは誰しも行っているでしょう。地域による温度差はあれ、什器や本棚等の壁への固定による倒壊防止、緊急避難場所の確認、食糧の備蓄、地震保険への加入等・・・。

しかし、税賠についてはどうでしょう?一応税理士職業賠償責任保険(税賠保険)には加入しているけれど、それ以外の予防策、と言われても・・・?そうお考えの先生方は多いのではないでしょうか。

税賠の相談にいらした先生方は、みなさん同じことをおっしゃいました。「自分に限って、税賠に遭うとは思わなかった・・・」
そうなのです。でも、決して他人事ではないのです。

税賠保険が発足したのは昭和の終わりの1988年。世の中の変化や税法の複雑化、そしてミスが起きた場合の「損害額」が1円単位まで正確に計算できてしまうこと、これらの理由から、税賠事件は件数も金額も増加傾向にあります。

会計ソフトの進化やAIの登場で、税理士の仕事は、現在、大きく変わりつつあります。従来行ってきた記帳業務や申告書作成業務は減少する一方、組織再編・相続対策・事業承継等のコンサルティングの需要が増える傾向にあるようです。また、従来の税理士の業務と比較して、コンサルティング業務はより深い専門性が必要な場合も多く、税理士の専門家責任を問われる範囲も増加しているように思われます。

税賠保険の支払件数や1件あたりの支払金額は年々増加し、また、税理士や税理士法人に対し、巨額の賠償を命じる判決が出されたこともあって、税理士業界において、税賠リスクが注目されつつありますが、具体的にはどのように予防すればよいのでしょうか。

裁判になったときに、会計事務所の担当者が対応しなければいけないことは、例えばこんなことです。

(例)

訴状・相手方準備書面の確認・検討
相手方主張に対する認否
正しい損害額の計算
当方主張の内容の確認
陳述書の作成
尋問
尋問内容の事前練習・準備
想定反対尋問に対する練習

それでは、訴訟を起こされないためには、一体どうしたらよいのでしょうか。

お問い合わせ番号 : 03-5220-6200
メールアドレス : info@tkao.com

税賠予防のために、事務所でできることは何でしょうか?
職員全員がミスをしないようにする、気を付ける、それは当然です。でも、絶対にミスをしない人は存在しません。人間誰しも、ミスはつきものなのです。ミスをしやすい人、しにくい人はもちろんいますが、個人の資質ばかり責め立てても仕方ありません。ミスはありうるもの、という前提で、行動を起こすことが必要なのです。

でも、次の3本柱があれば、多少のミスが起きたとしても、税賠の発生のリスクを減らすことができると考えられます。そして、もし万一のことがあった場合でも、交渉や訴訟にスムーズに対応していけると考えています。

税賠のご相談にいらした税理士の先生に顧問契約書の開示をお願いすると、そもそも契約書は作成していないとおっしゃる場合があります。もちろん、契約は口頭でも成立するので、クライアントとの間で委任の内容の合意ができていて、その対価の報酬をきちんと頂ければ、契約書がなくても特段問題は生じないかもしれません。ただし、クライアントとの間でトラブルになった場合には、クライアントが指摘するミスの内容が、そもそも契約書で委任されていた業務なのかどうかが問題になることがあります。

例えば、毎事業年度の仕訳の数がかなり多いクライアントの場合などで、クライアントの経理担当者が消費税の課税区分をミスしたことで消費税の修正申告が必要になったとしたら、それは、クライアントと税理士、どちらの責任なのでしょうか。おそらく、クライアント側は、「経理担当者が間違えたとしても、税理士がすべてチェックしてくれないと困る!」とおっしゃると思いますし、税理士は、「これだけ件数が多いと、すべてはチェックできないので、ある程度はクライアントの経理担当者による仕訳を信用していました。」と言うかもしれません。このような場合でも、契約書がないと、原則としては、専門家である税理士の責任になることが多いと考えられます。また、実際にも、税理士の業務負担が多く、すべて漏れなくチェックする時間的余裕はないかもしれません。いずれにせよ、後からこのようなトラブルになることを避けるためにも、契約書の持つ意味はとても大きいと思われます。

契約書をきちんと作成する大きな理由の一つは、クライアントと税理士との間で、委任する「業務内容」は何かということを明確にするためです。ですので、業務内容として、「法人税申告書作成」「消費税申告書作成」「税務調査対応」等とだけ書かれている場合も、契約書を作成する意義が半減してしまっているといえるでしょう。受任している「業務内容」は申告書の作成に決まっているじゃないか、と思われるかもしれません。でも、本当にそうでしょうか。申告書の作成1つ取ってみても、出来上がった決算書を基に申告書だけ作成するのか、決算仕訳を入力するところから行うのか、証憑類はすべて税理士が確認するのか、主要なものだけ確認すればよいのか・・・。クライアントの規模やクライアントの経理担当者のスキルによっても、税理士の対応は1社1社異なっていませんか。クライアントへの対応は千差万別なのに、どのクライアントとも一律の契約書でよいのでしょうか。
さらに、毎月定期的にクライアントを訪問しないような場合には、クライアントとの意思疎通の頻度が少ないので、「そんな話は聞いてない!」ということが起こりがちです。
これらはすべて、クライアントに応じて契約書を整備することで、解決することができると思われます。

税理士法人で委嘱を受けた場合で、税理士法人の職員全員が有資格者なら、どの担当者が作成した申告書をどの担当者がレビューしても、税理士法上の問題は生じません。ただ、そんな事務所はほとんどないといっていいでしょう。経験豊富な科目合格者やその他の職員が、フロント業務をこなし、申告書の作成を含む税務実務を担っている場合も多いと思われます。

ある会社の担当職員が科目合格者のとき、その職員が法人税の申告書を準備し、その申告書をレビューした職員がもし資格者ではないとしたら、出来上がった法人税申告書にたとえ誤りがなかったとしても、税理士法上は問題が生じてしまう可能性があります。
そのような体制の問題を、訴えてきた元顧客に指摘されたら・・・?

税賠のリスクを減らすためには、税賠予防、を意識して事務所組織を見直す必要があると思われます。

職員への教育、と聞いて、まず何を思いつきましたか?新入職員には、法人税や所得税の実務を勉強してもらう必要がありますし、事務所メンバー一同、目まぐるしく変わる税法に対応するために、毎年の税制改正のフォローアップも必要です。税理士に義務付けられている年間36時間の研修時間を確保するのも大変なことですが、事務所の職員に対する教育・研修の機会は、どの程度設けているでしょうか。職員が積極的に外部の研修に参加できる制度はありますか?定期的に所内研修の時間は設けていますか?そうはいっても、会計事務所の担当職員はみんな忙しい・・・。

そして、長かった繁忙期が過ぎ、夏になって、さて研修でも、と、ようやく時間を作れるようになった職員が一堂に会して所内研修を受ける時間を作ったとしても、税法に関する知識を得るための研修がどうしても先決になるのが通常です。やはり、飯の種ですから、それは当然ですね。改正された税法の、政令や通達が出そろうのも、ちょうどこの頃。しっかりアップデートしていかなければ、クライアントからの質問に対応することもできません。取り組まなくては、と思いつつも、税賠の事例について学ぶ機会はなかなかないのが実情です。

でも、一度事務所全体でこのテーマに取り組んで、職員の普段のクライアントへの対応を少しだけ変えることで、税賠のリスクは減らすことができるのです。取り組んでみませんか?

お問い合わせ番号 : 03-5220-6200
メールアドレス : info@tkao.com

税理士による会計事務所の職員向けの税賠の研修会は、ほとんどありません。
具体的に税賠の事件の相談を受けて訴訟を担当するのは弁護士ですが、税賠事件を扱う弁護士は少ないと思われます。最近は税理士と弁護士双方の資格をお持ちの税務に詳しい弁護士の方もいらっしゃいますが、そのような方でも税賠ではなく、税務訴訟をご担当される方が多いように思われます。

また、税理士登録をしている弁護士の方でも、実際に税務申告までご担当されている方は少ないように思います。当然のことながら税理士は、税賠保険に関わる仕事をしている税理士を除けば、自身が以前に事故に遭ったり、知人から聞いたり、あるいは判例を調べたり、以外ではなかなか税賠の事例に接する機会はありません。ですので、具体的な税務実務に基づいた税賠のための研修会は、ユニークな、オンリーワンの研修会と言えると思います。

今まで実際に起きた税賠トラブルの中には、職員の税務の知識が欠如していたことで起こってしまったものよりも、ついうっかりしていた、単純な確認が漏れていた、顧客との意思疎通がうまくいっていなかった等、職員1人1人の心がけによって防ぐことができたと思われるものがたくさんあります。職員への教育には、ぜひ「税賠予防職員勉強会」をご利用ください!

セミナー形式ではなく、勉強会形式で行うことには理由があります。
セミナーでお話しする内容は、自己の意識の改革にはなりうるものの、その内容が直接職員の実務の改善にまではつながらないことが多いのです。一方、事務所内で行う勉強会形式であれば、巡回監査担当者や記帳担当者、有資格者や科目合格者等、多くの職員の方にご参加いただけますので、事務所全体のレベルアップにつながります。

また、実際の顧客との対応で困っていることや、うちの事務所では具体的にはこのようにしているがどうだろうか?等々、その場でご質問いただければ、勉強会でのディスカッションの中で普段の業務内容を振り返りつつ職場改善の方法をご検討いただけます。

所長税理士向けではなく、事務所職員向けの勉強会を行うことには理由があります。
所長税理士向けの税賠セミナーでは、最近の税賠の裁判例を知ったり、顧問契約書への工夫すべきポイントを学んだりすることができます。税賠の裁判例には、インパクトの大きなものもありますし、知っておくこと、他山の石、として検討することはもちろん大切なことです。

一方、事務所職員向けの勉強会は、税理士向けのセミナーには参加したことがなく、税務の知識もこれから身に着けていく、という実務経験の浅い職員にこそ参加していただきたい内容となっております。税務の知識がそれほどない方でも十分ご理解いただける内容ですので、多くの職員の方にご参加いただき、職員ご自身が、普段行っている顧客対応をよりトラブルの起きにくい方法へ変えていくヒントを得て、事務所の税賠の発生リスクの低減につなげることができれば幸いです。

勉強会では、事務所組織の整備についても、ヒントをお話ししています。これは一見、税賠とはあまり関係がなさそうですが、頻発事例である消費税関連の届出書の提出漏れ等は、その顧客を普段担当しているのがたった1人の職員のみで、担当職員が休んでしまうと他の職員はその顧客についてまったく何も把握していない、という状況がもたらす結果である場合が非常に多いのです。担当職員がもし、届出書の提出を忘れそうになっていたとしても、事務所全体で、お互いに、「そういえばあの件の届出書の期限は今月末だよね?大丈夫??」とフォローしあう体制になることで、提出失念を防げる場合もあるでしょう。

事務所の職員数を倍増させるわけにはいかないからこそ、組織の状況を改めて見直すことで、少しでも職員1人だけがかかえるリスクを減らしていけるのではないかと思っています。そして、そのちょっとした余裕が、職員の疲弊と離職を防ぐきっかけにもなるのではないでしょうか。
職員にとって、事務所が、働きやすい職場でありますように。これも、「働き方改革」へのアプローチの1つ。そんな改善に向けてのアドバイスもできればと思っております。

今までに実施した勉強会の内容としては、次のようなテーマで行っています。

事務所の規模や状況、職員の知識や顧客層等に応じて、様々なコンテンツの中から事務所に合ったテーマを取り上げて、オリジナルな勉強会をつくってまいります。重点を置いてほしい項目等、ご要望をお聞かせください。

受講いただいた方の90%以上※から、大変満足した、との感想をいただいています。

※外部受講者190名中 : 5段階評価の4、5の合計

実際にご受講いただいた方から頂戴したコメントの一部です。

  • どこか、税賠については他人ごとととらえているところがあったが、自分自身のことだなと思えた。
  • 実際の事例を折々に入れていただいてご説明をいただいたので、身近なものとして問題を捉えることができました。
  • 長年の税賠実務経験に基づく解説は非常に有意義であった。
  • 税賠の内容に関する説明はもちろん、いろいろな場面や予防対策などとてもわかりやすかったです。
    また、実際の事例もお聞きでき、大変参考になりました。
  • カバーできていると思っていた部分が、全くカバーできていなかったと気づくことができたこと。

担当講師 : 東京共同会計事務所 税理士 窪澤朋子

平成15年税理士登録。前職の鳥飼総合法律事務所で、14年にわたり、税務訴訟及び税賠訴訟の補佐人・不服申立の代理人を務める。主な担当事件に、ストック・オプション事件、ガーンジー島事件、グラクソ事件、外国籍孫事件等。
税賠案件では、税賠訴訟の他、税理士紛議調停・訴訟前の交渉等、多数の案件に関与。税賠保険事故調査書のレビュー経験あり。

著書に、「税理士の専門家責任とトラブル未然防止策」(清文社・分担執筆)等。

私は、税賠訴訟の補佐人という立場から、元顧客等に訴えられた会計事務所の担当職員さんが、普段の業務をしながら、訴訟の準備書面に目を通したり、陳述書を作成したり、法廷で尋問に立ったりという大変な役回りをこなさなければならない状況をたくさん見てきました。そして、こういう思いをしなければならない職員さんを少しでも減らしたいと思い、勉強会を企画いたしました。
特殊な経験をしてきた税理士だからこそできる、オリジナルな勉強会を行っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

お問い合わせ番号 : 03-5220-6200
メールアドレス : info@tkao.com

本ページ内の掲載事項につきましては、法律問題に関する筆者の見解を述べるものではなく、テーマに関する一般的な考え方、見解をご紹介するに留まるものです。法律解釈については、弁護士等の法律専門家にご確認ください。

コメントは受け付けていません。