日本の親会社がベトナムの子会社へ製品を輸出したり、ベトナムで製造・加工した製品を日本の親会社が輸入する場合のベトナムの移転価格税制の適用について解説します。
目次
ベトナム現行法では日本の親会社がベトナム子会社の25%以上の持分を直接または間接に保有する場合等、関連者とみなされ、移転価格税制の適用対象となります。移転価格税制の対象となる関連者間取引には、原材料の調達・製造・加工・販売など、グループ内での取引全般が含まれ移転価格税制の適用対象となります。
ベトナムの子会社が国外関連者と取引を行った場合、その取引について、その内容や価格設定方法を記載した「移転価格申告書」を法人税の確定申告と一緒に提出する必要がありますが、移転価格文書については、一定の場合、提出が免除されます。具体的には、課税年度の売上が500億ドン未満(約2.5億円)かつ国外関連者間取引が300億ドン(約1.5億円)未満、或いは一定の売上高の水準でかつEBITDA比率が製造業なら10%以上、加工業なら15%以上、等が免除される要件となります。
移転価格申告書の提出は免除されませんので、所定の様式で法人税の年次確定申告と一緒に税務当局に提出(会計年度末から3か月の最終日まで)することとなります。
近年、ベトナムでは移転価格税務調査が増加傾向と見受けられます。特に、赤字が続いているが事業を拡張している、商標・使用料の支払い根拠が合理的に説明できない、販売価額は原価を下回っている、関連者に対してサービスを提供したにもかかわらず費用を請求していない場合等は調査対象となりやすいと思われます。
移転価格事前確認(APA)の制度はベトナムで2014年以降導入されました。APAを取得しそのAPAに沿って年次報告書を提出している場合は、合意された事前確認に沿って行った関連者間取引については原則として移転価格申告書のみ提出すればよく、移転価格文書化義務は免除されることとなります。APAは原則として締結してから3年間有効です。
なお、本稿の内容は執筆者の個人的見解であり、当事務所の公式見解ではありません。記載内容の妥当性は法令等の改正により変化することがあります。
本稿は具体的なアドバイスの提供を目的とするものではありません。個別事案の検討・推進に際しては、適切な専門家にご相談下さいますようお願い申し上げます。
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